カート・キャノンを英語で 続Ⅰ
掲載第一篇は「幽霊は死なず」、(原題は Die Hard)です。
“Die Hard”、ダイハードは映画のタイトルにもあります。ブルース・ウイリス主演の映画ですが、“Hard”には“ほとんど~ない”の意味で、“hardly”と同じように考えたらいいでしょう。
カートは決してやられないのです。死なないのです。
当時若者の間で広がっていた麻薬に悩む親父の話です。
酒場で見知らぬ親父に麻薬を息子に売る奴らを止めさせてほしいと頼まれ、カートが言います。
「You're asking me to stop the tide, mister」
「津波をとめろ、というようなもんだ」
麻薬蔓延は、津波のように人間の力でどうしようもないくらいの勢いがあると言っています。
この酒場はニューヨークの裏町、カートの安宿近く、地名は バウアリ です。
バウアリは “Bowery”、マンハッタンブリッジからマンハッタンに入り、最初に交差するあたりのアベニューです。ウォールストリートよりは北寄りです。
今は、バウアリホテルというのもあるそうです。
この親父がカートに頼みを断られ、酒場から出たところでピストルで殺されます。
カートは警察に事件を知らせようと電話で警察をと交換手に言うと「事件ですか?」といいます。
カートは当たり前だろう、と言わぬばかりに交換手をからかって、
「違う、パンティの大安売りだ」といいます。原文では
「No, a strawberry festival.」となっています。都筑氏も茶化して翻訳しています。
元部下と浮気者の女房の件で探偵ライセンスを取り上げられたカート、毎夜、安酒で嫌な過去を忘れようとします。
「酒は食道をまっすぐ下って、胃袋の穴はふさいでくれるが、心の傷はふさいでくれない」
「Straight down the gullet, eating a hole in my stomach, but never eating away the scar on my heart」。
“the scar on my heart”はタフなカートにも堪えているようです。
麻薬売人を締め上げ、カートが言います。
「坊や、おれはからかってるんじゃないぞ。おれはひとを殺しかけたことが、なんどもあるんだ。貴様もそういう目に、あわしてやろうと思っている。ジェリーのいどころを、言ったほうがいいぜ」
「Junior, I'm not kidding. I almost killed a lot of guys, and I'm ready to go all the way with you. Where is he?」
“殺しかけた”が、“almost killed”とは勉強になりますね。“almost”の使い方が解かりました。
“もうすぐ着きますよ”は、“We are almost there”と表現できます。
“思っている”はカートのような人物に“be ready to”と言われると、すぐにでも殺されそうと思うでしょう。
“all the way”には“とことんやるぜ”とカートの意思がでています。
親父を殺したのは実は息子でした。警察に彼を突き出し事件は終わります。
「礼を言われるのを待たずに、警察をでると、おれは、近くの酒場に急いだ」
「I didn't wait for thanks. I headed for the nearest bar.」
“I didn't wait for thanks”には、礼を言われるためにやったのではないカートの正義感がでています。
また、酒場です、カートはそこで安らぎを得られるのでしょうか。










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